保存刀剣 氏房作（若狭守） 一尺五分　合口拵入 白鞘付| 日本刀・刀剣総合専門店『儀平屋』

<体配>
平造り庵棟、身幅広めで重薄く、ふくら枯れごころとなる。茎は生で、鑢目はやや浅い筋違い、茎尻は栗尻。
彫り物は表裏共、棒樋に添樋を彫刻するも現在添樋の方は元に名残があるのみとなる。

<地鉄>
板目肌が流れ、杢目が交じり、やや肌立ち、地景を見せ、やや白気る。

<刃紋>
互の目が処々兼房乱れと成り、足入り、刃緑に細かな金筋絡み、匂勝ち小沸つき匂口は締まり明るく冴える。帽子は直ぐに入り、先掃け心に小丸に返る。

<ハバキ>
素銅に銀着二重。

<特徴>
氏房は、善斎兼房の三男として天文三年濃州関に生まれる。永禄十三年四月十九日「左衛門少尉」に任じられ、三日後の四月二十二日「若狭守」を受領したと 伝わる。永禄十年頃岐阜城下に移住し、天正五年には安土に移る。信長没後は関に帰り、のち尾張國清洲に移住して天正十八年五月清洲にて五十七歳の生涯を終えた。 その作風は兼房時代は末関風の刃を焼き、氏房と改めてからは新刀風が次第に強くなり、姿は身幅が広く大鋒となった豪壮な物が多い。
本脇差は室町末期頃の寸延び短刀姿にお家芸の「兼房乱れ」を焼いた末関風の作で、感じの良い時代の肥後合口拵が付属します。縁頭・鯉口・栗形・コジリは勝虫の肥後一作金具 で、目貫は九曜紋、鞘は黒漆塗り石目地と言う洒落た拵で中身外装共に楽しめます。

<拵え>
金具類：鉄地肥後一作勝虫の図。
目貫：赤銅地金色絵九曜紋図。
柄：鮫は大きな親粒が付き黒染め、柄巻きは正絹金茶の諸摘み巻き。
小柄：素銅地大津絵の図。 鞘：黒石目塗り。

<刀剣の状態>
研ぎ:　良好です。
傷:　欠点になるような傷は有りません。